編集長のズボラ料理(785) カブの豚肉巻き
京都の漬物は、独特のブランド感がある。漬物屋さんは多いのだが、どこも人気があるような気がする。京都の人はもちろん、京都以外の人も好きな店があるからだろう。
ある親類は、「もり」の漬物が好きで、時々送ると大喜びする。僕の住所地が京都府だから、京都のブランド漬物をよく知っているとの思い込みがあるのだろう。実際には僕は京都府の最南部で、奈良県まで200メートルのところに住んでいるから、京都市の、しかも洛中の漬物など、あまり知らないのだが。。
京都以外の人と京都市に遊びに行き、昼食場所選び頼まれることがある。これも、僕の住所地が京都府だということよる勘違いなのだ。
京料理のような高い店には縁がない。では、どうするか。そこで、漬物に頼る。遍路仲間で洛中33所を回った時も、清水寺に近い阿古屋茶屋で漬物のバイキングを食べた。京都駅ビルに土井志ば漬本舗が小さな食事の店を出していて、友人を案内して、漬物天ぷら膳を食べた。出町柳の漬物屋さん「田辺宗」のレストランで、漬物ずしを食べたこともある。
以上の通り、京都の昼ご飯は漬物に限る。京都以外の人は、「京漬物」のブランド性に弱いからだ。ただし、間違っても京都市のしかも洛中の人を連れて行ってはいけない。彼らは、隠れた漬物の名店を知っている。
遊び仲間で京都市に出かけて遊んだ際、錦市場を通った。グルメの仲間の1人が、そばの漬物屋さん「大藤(だいとう)」に寄った。みんなもついて行って、それぞれ好きな漬け物を買った。僕はは千枚漬にした。
千枚漬は別の友人から、上賀茂神社のそばの「なり田」と教えられ、刷り込み現象が起きていた。息子が上賀茂神社から歩いて20分あまりの場所に住んでいて、訪ねた時はしばしば、なり田に寄った。
しかし、千枚漬けの店はいくらでもある。僕が知らないだけのこと。大藤もそうで、それが京漬物の奥深さなのだろう。
定年後ファ-マーの元同同僚が、定年後クッカーの僕のために、よく野菜を段ボールで送ってくる。今回はカブが多かった。千枚漬にする力は僕にはなく、軽く塩を振った簡単漬物にしてかなり食べたが、まだまだ残っていた。そこで、迷った時の巻き巻き作戦を実際した。
カブは厚めに皮をむき、サッとゆでる。取り出して食べやすい大きさに縦に切る。ゆで汁はとっておく。薄切りの豚肉に軽く塩、コショウをふる。豚肉の上に大葉を乗せ、さらにカブを乗せて巻く。タジン鍋にハクサイを敷く(豚肉が焦げ付かないようにするため)。豚肉巻きを並べ、酒をふって蒸す。もちろん、蒸し器や普通の鍋を使ってもいい。ゆで汁にだしの素、みりん、しょうゆを加えて熱し、最後に溶いたカタクリ粉でとろみをつけ、豚肉を食べる時にかける。
しばらくして、冷蔵庫の野菜ボックスを開けると、もらったカブが1個残っていた。しなびて。カブを急いで食べきるのは、難しいものだ。(梶川伸)2025.02.10
更新日時 2025/02/10