編集長のズボラ料理(469) 鬼滅風トースト
自宅の前を小さな花壇にしている。そこは小学生の集団登校の集合場所になっている。
集合時間帯に合わせて、花の手入れをする。その際に必ず持っていくものがある。1つは時計。子どもたちは7時55分に出発するので、その時刻にアラームが鳴るようにしている。1人がアラームを切り、みんなで出発する。
もう1つは、おもちゃ袋。100円ショップで買ってきたものが入っている。人気はヨーヨー、ギター、目が光るがいこつ。遊ぶのはわずかな間。春、秋は5分ほど。冬は寒いから自宅を出る時刻が遅く、せいぜい2~3分。
コロナウイルスの影響で、子どもたちはマスク姿で登校するようになった。ある男の子が緑と黒の市松模様のマスクで現れた。「けったいな子や」と思った。それが「鬼滅の刃」の主人公、炭治郎の服のデザインだと知ったのは、だいぶ経ってからのことだった。
これはいかん。世の中の流れから外れてしまう。そこで考えたのが、ズボラ料理に鬼滅エッセンスを入れること。これなら流れに乗るどころか、一挙にトップランナーに踊り出る。
簡単なトーストで修行する。四角い食パンにバターを塗る。その上のハムを乗せる。ここから、最強エッセンスの緑と黒を取り込む。
緑は簡単。バジルペーストを一面に塗る。問題は黒。思いついのはノリだった。これを小さな四角に切り、緑の上に市松模様になるよう並べる。そしてトースターで焼く。完璧、と思ったが、ふと考えた。これではノリが焼けて燃え尽きる。
そこで、まず四角いとろけるチーズを、緑の上に並べて焼く。次は焼きノリを四角く切って、チーズの上に乗せる。完璧だと思ったが、うちのノリは真っ黒ではなく、緑がかっている。これではバジルとの色の区別がつかない。
そこで代案。焼きノリではなく、黒いノリのつくだ煮を塗った。これが結構面倒くさい。しかも、四角が小さかったので、チマチマして、炭治郎の力強さがない。
完成に向けて修行は続く。これまでに学んだことを生かし、チーズの四角を大きくした。チーズを縦横3等分に包丁を入れ、計9つに切った。これで試作する。シンプルにするため、ハムは省き、バジルを塗り、その上にチーズを並べる。ここで、大問題が発生した。
このチーズの大きさで市松模様にするには、パンを4×5の計20ブロックに分けるのがいい。ということはチーズは10ピースいるのだ。1つ足りないではないか。そこで大き目だったチーズの端を少しずつ切って、1つ捻出して、焼いてみた。
白と緑の市松模様はほぼ完成した。あとは黒をどうするかと、チーズを10に切るにはどうするかだ。まだまだ厳しい修業が待っている。(梶川伸)2020.12.29
更新日時 2020/12/29