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編集長のズボラ料理(477) ハッサクとオレンジとチーズのサラダ

バルサミコは色が濃いので、たくさんかけると見栄えが悪くなる

 フルーツサンドイッチがはやっているらしい。大阪市・難波の高島屋の地下にダイヤ製パンのサンドイッチの店があるが、ここもフルーツサンドがかなりのスペースを占めている。
 僕はどうも手が出ない。サンドイッチは卵かハムか、カツかレタスであるべきなのだ。せいぜい、新参者のツナマヨまでに留めてほしい。勤めているころ、お酒を飲んでの帰り、立つのが嫌になり、特急券を買って、座って帰ることがった。後になって、もったいない、と思うのだが、その時は飲んで気が大きくなっているから、歯止めがきかない。
 そんな時は、飲むのに懸命で食べる忘れている。小腹がすいてきて、駅の売店でサンドイッチを買って、指定席で食べた。この場合、中身がフルーツでは可愛すぎて、酔っ払いにはそぐわない。
 酔っていなくても、フルール系は邪道だと断定できる。イチゴならショートケーキが王道ではないか。イチゴをつぶしたジャムなら、ジャムパンが王道ではないか。
 もう1つ、気に入らないことがる。最近はパンにフルーツを丸ままはさむことだ。そのうえでパンを半分に切り、フルーツの断面をこれ見よがしにする。確かにきれだが、分厚くなって、僕のような顎関節症で口が大きく開かない人間は困ってしまって、ワンワンワンである。
 40何近く前にイチゴ大福が大ブームとなった。これが契機に、丸ごとフルーツの流れができてしまった。これがフルーツ大福史に関する僕の説だ。フルーツの種類は増えたが、これも気に入らない。ブドウ大福、マスカット大福ならいいが、ミカン大福ともなると、顎関節症にとっては、苦行でしかない。ハッサク大福やハッサクサンドへの道たどるのではないかと、密かに恐れている。
 ハッサクは最近、人気が落ちている。酸っぱいのと、外の皮と中の皮をむくのが面倒くさいせいだろう。友人は子どもに皮をむいて与えるという。そんな人がそばにいれば、どんどん食べるのだが、世の中、そんなに甘くない。
 ご近所さんに、実家のハッサクを7たくさんもらった。これは大変だ。酸っぱいので、そう大量には食べられない。皮むき名人の友人がいないから、自分で皮をむいた。甘さを加えるために、オレンジも加えた。変化をつけるために、チーズも角切りにして。それにバルサミコをふり、いつの間にかフルーツサラダになってしまった。
 これなら丸ごとではないので、顎関節症でも大丈夫。ただ、めんどうくさいだけのこと。(梶川伸)

更新日時 2021/01/30


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