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編集長のズボラ料理(453) ナスとひき肉炒め

いわばマーボーナス

 キュウリとナスの共通点を見つけた。キーワードは3つ。
 スパーで袋に入った野菜を買うとする。中に何個入っているかを見る。キュウリはたいてい3本。ナスはほとんど3本。これは日ごろの綿密な観察からの結論である。
 ジャガイモはどうか。観察の結果では、ボラバラだった。5つが多いが、4つもあるし、3つもある。新ジャガのころには、7つ8つのこともある。
 その最大の理由は、1つ1つのジャガイモの大きさが一定していなからだろう。特に新ジャガは小さいので、4つ5つでは、袋がスカスカで、せっかくのまとめ売りなのに、お得感がない。
 それに加えて、見栄えも関係する。いくら大きくても2つでは。もの足りない。
 トマトのパックは、3つが主流ではあるが、2つ、4つ、5つも結構ある。ブランドトマトは高いから、2つセットにすることによって、値段をセーブしようとする狙い見え見えだ。
 消費税アップなどでモノの値上げ連鎖が起きたことがあった。その時、値段を据え置いて、量を減らす作戦もあった。特にバターがそうだった。分量を減らす方法として、厚さを削っていった。
 しかし、薄いバターはどうも貧相だ。すぐに終わってしまう恐怖感が生じ、ついつい使う量をケチることになる。心まで貧相になったはいけないので、高いけれどもともと分厚いヤクルトバターを使うことが増えた。これなら買う時の大きな負担を乗り越えれば、あとは気兼ねなくパンにも塗ることができる。ただ、使い切った時に、「もうなくなったか」と1000円札を思い浮かべ、やはり心が貧相になる恐れはある。
 ナスは長めの短冊に切り、軽く小麦粉をまぶして、油でサッと揚げる。フライパンにサラダ油とゴマ油をひき、合いびきミンチと刻みネギを炒める。火が通ったらナスを入れ、だしの素、砂糖、酒、しょうゆで味をつけ、最後にオイスターソースを加える。
 3本入りのナスを使うと、1つだけ解決できない問題が生じる。子どもたちが独立しているので、ナスは2本使えば十分。そうすると1本残る。次に使う際、1本ではもの足りない。そこで3本入りを買い、まず前回の残りの1本と新しい1本を使う。そうすると、次の回の2本でちょうどなくなる。
 しかし、毎日ナスを食べるわけにはいかない。しばらく日を置くと、ナスを切った際に中が少し茶色になっている。しまった。2本セットにしておけばよかった。(梶川伸)2020.11.09

更新日時 2020/11/09


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