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編集長のズボラ料理(428) オクラと長イモと卵豆腐のサラダ

飾りものは好みのものを

 フェイスブックで、ベネチアングラスと説明文をつけた写真が載っていた。「ほー、美しい」。そう感じて見入ってしまった。
 でも、何かおかしい。よ~く見て、わかった。ガラスの皿の上に、オクラの輪切りを並べていたようだ。投稿者のセンスとしゃれっ気に感心した。
 今、うちにあるガラス食器といえば、グラスの類がほとんどだ。結婚当時はもっと多かった。会社の同僚たちが、各務クリスタルのセットを、祝いに贈ってくれたからだ。しかし、順番に割れていった。
 まずワイングラス。ガラスが薄いので乾杯の時も、音がしたのかどうかわからスピード、つまり秒速3センチくらいで、優しくグラスを接触させた。乾杯のだいご味がないが、繊細なグラスには代えられない。
 欲求不満を抱えてワインを飲んだが、結局は1つずつ消えていき、最後は誰もいなくなった。いや、5つすべてがなくなった。
 わかったことがある。割れるのは乾杯ではなく、落としたり、何か強く当たったためだった。それなら、乾杯のカチーンという音をきちんと聞いても良かったのだ。もう遅い。割れたグラスと青春は戻らない。
 次になくなったのはブランデーグラスだった。弟からブランデーの水割りなるものを教えられ。僕もまねしてして一時期、よく飲んだ。
 ワイングラスで少しは勉強したので、乾杯の時は秒速5センチと、ややスピードアップした。しかも、大事をとって普段飲みは安いグラスにした。
 それでも各務クリスタルは割れていく。それならもらったグラスで、ガバガバ飲んでおけばよかった。後の祭である。
 最後はビールなどを飲む普通のグラス。ビールは乾杯をしなければ始まらない。そこで秒速10センチまで上げ、音は聞こえるにようにした。そのためかどうか、ビールグラスも音もなく消え失せた。
 今回はフェイスブックの写真を、そのまま採用させてもらった。オクラはゆでる。その際に少し塩とだしの素を入れる。水分を切って、輪切りにする。それを透明の皿に密集して並べる。周辺に玉子豆腐、長イモを小口切りにして並べる。ミョウガと大葉の千切り、細い塩コンブを散らして飾る。冷蔵庫で冷やし、玉子豆腐のだしをかけて食べる。
 これは味よりも見た目。いや、見た目がよければおいしく思えるはず。ガラスの皿はかき氷を入れるものしかなかったので、プラスチック系統の大皿で代用したが。(梶川伸)2020.08.11

更新日時 2020/08/11


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