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編集長のズボラ料理(448) カボチャとミンチの煮物・カマンベールチーズ味

チーズを多めにした方がいい

 ハロウィンは日本でも、定着してきたのだろうか。売る側が「ハロウィン商戦」と銘打ってはやしたてているだけだと、僕などは歯牙にもかけていなかった。オレンジ色に白い目を向けていた。ところが……。
 一昨年のハロウィンの日。うちの玄関のピンポンが鳴った。出てみると、小学生が2人、「ハロウィン、ハロウィン」と言っている。
 うちの前に小さな花壇を作っていて、そこが小学生の集団登校の集合場所になっている。2人はそこに集まる子どもだったから、もちろん顔見知りである。
 これには、ちょっとあわてた。花咲か爺さんを自称している僕としては、子どもたちの期待に応える必要がある。テーブルの上に置いていたおかきとのど飴を思い出し、何とかその場をしのいだ。しかし、子どものためのお菓子らしくない。大いに反省した。
 昨年は万全の準備をした。個別に包装されているクッキーのようなお菓子、袋が5つつながっているもの、それにキャンディーを用意した。これで安心。少なくと、のど飴よりはいい。
 カボチャのことをパンクキンと言う。西洋風に呼だけのことだが、イメージがいい。パンプキンパイ、パンプキンスープという響きはいいし、愛敬もある。ところがカボチャと呼べば、どこかモッサリしている。だからカボチャの煮物のように、日本のおかずの姿が思い浮かぶ。
 ハロウィンのころ、カボチャについて書かれた文章を読んだことがある。それによると、パンプキンとは西洋カボチャのことで、日本のカボチャには使わなそうだ。なるほど、である。ハロウィンのカボチャはオレンジ色ばかりだが、それがパンプキンの色らしい。
 一方、日本のカボチャの皮は濃い緑色をしている。この皮が結構固くて、切る時に難儀する。どうも繊細さに欠け、ボチャとしている。
 今回はカボチャの料理だが、チーズを使って、西洋風パンプキンの風情を加味してみた。ハロウィンも定着してきたようだし。
 皮を大まかに切り取って、食べやすい大きさに切る。だし、砂糖、みりんで煮る。しばらくして醤油を入れ、さらに煮る。カボチャに火が通ったら煮汁を少なくしてミンチを入れ、カマンベールチーズを小さく切って加え、落し蓋でさら煮る。皿にカボチャを盛り、残りはさらに煮詰めてからカボチャの上にかける。
 昨年のハロウィンの日、子ども来なかった。仕方ないから、用意したお菓子を自分が食べることになった。やっぱりハロウィンは、定着してないではないか.
(梶川伸)2020.10.22

更新日時 2020/10/22


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