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編集長のズボラ料理(409) マカロニのお茶サラダ

茶葉の粉は多めの方がいい

 お茶や水を、ペットボトルで買うようになったのは、そう古いことではない。自宅でなら、ほぼただで飲めたのだから。
 僕は水が好きだから、自宅では水道水を飲み放題状態でガブガブ飲む。それが元気の秘訣だと、勝手に信じている。
 「ペットボトルの水は飲まないのか」と聞かれれば、実は飲んでいる。ただし、水道水をペットボトルに入れて、冷蔵庫の冷やしておき、それを飲む。冬でも変わらない。ビールは冬でも冷やして飲むのと、同じ理屈といえる。
 会社勤めのころは、炊事場にマグカップを置いていて、それで水道水を飲んだ。「大阪の水道水は臭くて飲めん」と言う人が多かったころも、平気で飲んでいたから、当時は社内で1番の呑み助だったに違いない。
 その後、水道水が高度処理され、無味無臭になった。そのため、「大阪の水は」と話題にもならなくなった。大阪市はこの水をペットボトルで売り出したが、わざわざ買って飲んだという話を聞いたことがないから、売れなかったのだろう。無味無臭で特徴がなければ、売れるはずがないではないか。
 炊事場のマグカップは役に立った。仕事が終わって職場でビールを飲むことがあったが、その際にも使えた。新聞社とはいい加減な職場で、周りで仕事をしている人がいても飲む。
 自宅では、お茶もわかして飲むことがある。会社の診療所で痛風と診断され、ビール禁止を言い渡された時は、よく飲んだ。
 宣告をしたのは女医さんだった。「痛風は不公平な病気で、私はいくら飲んでもならない」と冷たく言い放ったのだ。確かに、会社の集まりの際にガブガブ飲んでいるのを、見たことがある。
 自分だけ飲んで、ずるいではないか。しゃくに障ったが、美人なので命令に従うことにした。そこで、麦茶を作って冷蔵庫で冷やし、ビールだと自分に言い聞かせてガバガバ飲んだ。ただし、全く酔うことはなかった。
 美人に目がくらんで、しばらくばビール禁止の命令に忠実に従った。今は定年にもなり、命令に従う必要もないから、ビールもガバガバ飲む。薬も服用しているし、女医さんの診断は誤診だったと、自分に言い聞かせている。
 僕が住んでいるのは、京都府の最南端。隣町には和束町や宇治田原町といった茶の産地がある。だからお茶には困らない。ただ、僕は水好きだから、お茶の葉は余り気味である。そこで、今回はお茶を使うことにした。
 緑茶の葉をすり鉢で粉にする。茎の部分は取り除く。マカロニを出しでゆでる。タマネギを薄切りにして、しばらく置いておく。ベーコンを小さく切る。ゆで卵を小さく切る。これらにマヨネーズと粉の茶葉を加えて混ぜる。オーソドックスなマカロニサラダに、お茶の味を加味しただけのものである。
 これを食べる時の飲み物は、水や麦茶よりもビールをお薦めする。僕も美人の女医さんは誤診だという信念で、ビールを飲む。(梶川伸)2020.05.12

更新日時 2020/05/12


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