編集長のズボラ料理(202) タコのガーリック炒め
すしのネタで何が好きか。酒を飲みながら、よくそんな話題になる。僕は生ダコが好きだ。「1番好き」と宣言したいところだが、ちょっとはばかられる。
普通のすし屋なら、生だこは当然ある。すしをつまんでいて、イボの部分を焼いて出してくれたりすると、すし屋で食べた気分になる。
ただし、すし屋に行くのは回転ずしが多い。そこでは、生ダコはめったのお目にかからない。京都の回転ずし「むさし」で食べたのは、いつだったか。そんな具合だから、いつも食べているかのように、「生ダコが1番」と胸を張るのは気恥ずかしい。
タコは生以外でも、結構食べる。居酒屋ではよく、タコの天ぷら「タコ天」を注文する。おでん屋のタコもいい。ただし、老舗は高いから、言ってみたいだけである。老舗で食べなくても、、遍路で四国に行くと、煮たイイダコを串にさしたものを売っている。これも、単なる負け惜しみではあるが。
四国に行けば、タコの炊き込みご飯「タコ飯」も名物で、ついおかわりをしたくなる。そそれでも物足りない時は、大阪に向かう途中の淡路島あたりで、干しダコを買って帰る時もある。これを刻んで、タコ飯を作り、思う存分口に運ぶ。
家でもタコは、しばしば食卓に乗せる。スーパーではしょっちゅう、安売りをしているからだが、もう1つ理由がある。タコの料理は、あまり手の込んだものがないのだ。
刺し身、タコ酢、カルパッチョ。これらは切るだけと言ってもいい。タコ天もぶつ切りにして、衣をつけて揚げるだけでいい。ただし、やや技術がいる。衣がタコから離れないようにしなければいけないので、「切るだけプラス」といった7ところだろう。。
タコのガーリック炒めは、「切るだけ」と「切るだけプラス」の間に位置する。タコはぶつ切りにして、軽く小麦粉をまぶす。フライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクの薄切りを入れてゆっくり熱する。ニンニクに焼き色がつき始めたらタコを入れ、クレージーソルト(塩とコショウでもいい)を振って、一緒に炒める。技術や工夫はほとんどいらない。(梶川伸)2016.08.06
更新日時 2016/08/06