並川メリーさん、豊中の小・中学校などで誕生学
豊中市の小学校、中学校で1月下旬から2月下旬にかけ、相次いで「誕生学」の授業が開かれる。講師は公益社団法人「誕生学協会」認定の誕生学アドバイザー、並川メリーさん「生まれていたことが嬉しくなると、未来が楽しくなる」をコンセプトに、命の大切さを伝える。
誕生学協会によると、誕生学は「妊娠や出産と命の大切さに関する知識をの教授」のプログラムで、「自分の生命力や誕生してきたことの奇跡を再確認し、自尊感情を高めることを目的にしている」という。
並川さんが誕生学に接したのは、新聞記事だった。阪神大震災の被災者が、誕生学に取り組んでいることが載っていて、目についた。幼稚園教員をしていた経験もあり、「私にもできるのではないか」と考え、勉強を重ねてアドバイザーの資格を取った。
豊中市での授業は友人を紹介で始め、クチコミで広がった。1月から2月にかけ、克明小学校、新田小学校など約10校での授業が予定されている。
小学校低学年に対しては、ハート型の紙にごく小さな穴をあけ、紙を光に向けることでやっと見ることができるようにして、卵子の大きさを知らせる。お母さんのお腹の中では、おっぱいを飲む練習などをして、生まれてくる準備をしていることをも伝える。それらによって、生まれてくることは簡単ではないことや、生命力の強さや命の奇跡をを教える。
中学生対象では、二次性徴をテーマにし、さまざまな体の変化が「大人へのスイッチ」だと、わかりやすく表現する。また、保護者参観日に授業をする学校もあり、親と子を対象にした授業もする。並川さんは「自尊感情が高まれば、自殺やいじめをすることがなくなり、若年の妊娠も減る」と、誕生学の大切さを話す。
ある授業の後、児童が「お母さんが弟と妹ばかり可愛っている」と話にきた。そこで、お母さんに本当はどうなのか聞いてみるように言ったという。家に帰って指示通りにすると、お母さんは涙を流してハグしてくれた。そんな話を次の授業に機会に報告してくれたことあるという。「からまった糸がほどけた時、子どもは明るくなり、未来が楽しくなる。そんな時に私も嬉しくなる」と語る。
連絡先は並川さん080-5349-5797。Eメール[email protected]
(梶川伸)2016.01.21
更新日時 2016/01/21