編集長のズボラ料理(684) カツオ風味のポテトチップス
遍路仲間で時々、安上がりの温泉に1泊で出かける。仲間の長老が、「たまにはゆっくり飲みたいね」と言うからだ。それも一理ある。
遍路仲間は月に1回、大阪市・梅田の居酒屋さんで軽く飲む。長老はそれを楽しみにしていて、必ず出席する。
住んでいるのは、兵庫県川西市。集まりの行き返りに結構時間がかかる。そこで、午後8時前にはお開きにする。結構ゆっくりだと思うが、まだ物足りにあらしい。それでも、「今日も楽しかったねえ」が口癖だがら、翌月も集まらざるを得ない。。
店は毎回のように変えるが、集合場所はいつも大阪駅前のヒルトンプラザイースト1階のピアノ前と決めている。長老はいつも梅田の地下街を通るが、地下街は迷路のようだから、いつも道に迷う。そのうえ、ヒルトンプラザウエストに行き、そこで道を聞くのが恒例御行事になっている。
途中で電話すればいいじゃないかと思うだろうが、それができない。携帯電話は持っていない。ただ、迷いながらも、集合時刻にハピタリとくるのだから、天才的時間感覚の持ち主と言える。会った時の決まり文句もある。「梅田には30分前に着いていたんだけど」。ちゃんとウロウロ時間を計算して行動といえる。
そんなことの繰り返しだから、「たまにはゆっくり」も分かる。温泉宿にはみんなで一緒に行くし、宿で飲んでその日のうちに帰る必要がない。
そこで、滋賀県・雄琴温泉の宿「ことゆう」に泊まった。風呂上がりにまず缶ビール1杯。夕食で軽く飲み、部屋に帰ってまた飲んだ。ゆっくりしすぎである。
翌日は比叡山延暦寺に参拝し、バスで京都側に降り、京都駅で散会となった。ただし、ルこからは毎月のルーティーンとなり、駅ビルのがんこ寿司で一杯。長老は朝からそれを楽しみにしているのだから仕方ない。、
ここはビーツのつまみ、酒のあてもたくさんある。そこで目についてのはカツオ風味のポテトチップスだった。どんなものか僕には想像がつかなかったが、運ばれてきて、「なーんだ」ではあったし、「なるほど」でもあった。
これは簡単だから、家で造作った。ジャガイモは皮をむいて、拍子木切りにし、軽く小麦粉をまぶして、油で揚げる。それを皿に盛る。カツオ節を細かく砕き、しょうゆを少しかけてよく混ぜ、しみこませる。さらにカツオ節を用意し、前のカツオ節とまぜて湿り気を減らし、ポテトチップスの上にかける。
もともとは遍路の仲間。「また遍路に行こう」という声が出て「どうせなら2泊3日で」の意見もある。そうなると、ゆっくりすぎることになるが。(梶川伸)2023.09.05
更新日時 2023/09/05