編集長のズボラ料理(633) ミンチのネギみそ春巻き
遍路仲間の1人が札幌市に住んでいる。そこで今年の夏、仲間4人で北海道に行った。札幌のメンバーも加わって、飲んで食べての4日間を過ごした。
旅行の前に、食べようと決めていたものがいくつもあった。その1つが、札幌みそラーメン。それにギョウザもつけて食べる目標を立てた。
ホテルの朝飯はバイキングだった。2日目の朝はさっそく、小さな札幌ラーメンを食べた。ギョウザはなかったが、これは準備体操みたいなものだ。残り3日の間に、本格的に食べればいいのだ。その時はまだ余裕があった。ところが、食べるもの、食べたいものがありすぎる。なかなかラーメンの順番が回ってこない。根底には、「もし食べられなくても、大阪にも店はあるだろう」という気楽さがあった。
それでもちょっと焦りが出て、夜の居酒屋でラーメンサラダを頼んでしまった。麺(めん)をサラダの具材に使っていたが、こんなことでお茶を濁すつもりはない。残された日でホンマモンとギョウザをを食べるゾ、という決意表明のつもりで食べた。やはり、邪道だった。
結局、王道ラーメンには縁がないまま。新千歳空港の搭乗口を通ってしまった。出発便を待っていると、朗報が届いた。仲間の1人がイートインスペースを見つけ、そこに札幌みそラーメンの店があるという。僕が「ラーメン、ラーメン」と言っていたものだから、気に留めていてくれたのだった。
2人でその店に行った。ついに、本場のものが食べられる。最後の最後の大逆転。「食べるぞ」と思ってメニューを見ると、ビールがあるじゃないか。ビールにはラーメンじゃないだろう。そこで、チャーシューや野菜を皿に盛ったつまみのセットにしてしまった。何と軟弱な。ビールがすべて悪いのだ。
どこか後ろめたさがある。自宅に帰ってすぐ、札幌市。西山製麺の即席麺「ラーメン味噌(みそ)」を食べて、お茶を煮度した。ギョウザは自分で作ることにした。
フライパンを熱し、油をひかずに合びきミンチを炒る(脂分があるので、炒めるのに近いようおになる)。味つけはだしの素。みそをボール入れてみりんで伸ばし、大量の刻みネギとミンチを入れ、おろしショウガも加えて混ぜる。それを春巻きの皮で包んで、油で揚げる。
みそを使ったのは、本場のみそラーメンを食べなかった、せめてもの償いである。ギョウザでなく、春巻きにしたのは、皮が大きければ、作る数が少なくてすむからだ。(梶川伸)2022.11.14
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更新日時 2022/11/14