編集長のズボラ料理(599) アサリとエリンギの吸い物
潮干狩りに行ったのは、いつのことだったか。娘と息子が浜辺で小さなバケツと熊手を持つ写真が残っている。多分、潮干狩りだろう。娘が幼稚園くらいの大きさだから、40年ほど前のものと思う。
多分、徳島市に住んでいる時だろう。鳴門市あたりの海に違いない。ただ2人とも水着姿だし、貝が写っていないので、海水浴だったかもしれない。
徳島市では、アサリよりもシジミに縁があった。吉野川の支流、鮎喰川のほとりに住んでいたからだ。友人が泊まりに来ると、一緒に川に行ってシジミを獲る。小さいものだが、すぐに見つかる。そのれを翌朝のみそ汁にする。川からの帰り、土手で摘んだ花は箸(はし)置きする。金をかけないおもてなし。これが結構受けた。
シジミもいいけど、食べるならアサリがいい。シジミはみそ汁くらいのものだが、アサリはバラエティーに富む。
スパゲッティでも、アサリは存在感を示す。しかも、「アサリのスパゲッティ」とは言わず、ほとんどの人が「ボンゴレ」としゃれて言う。ミートソースもしゃれて言えば、ボロネーゼとなるが、しゃれる人の割合はボンゴレの方が高いのではないか。
アサリコロッケを食べたことがある。自宅近くイオンで、京都府宮津市の吉野茶屋が出張販売していて、そこで買った。ミンチ肉の代わりにアサリを使っているのだが、ありそう食べたことがなかった。
大阪市枚方市の京阪枚方市駅のビルに、枚方市の製品を売っているショップがある。そこで、北海道別海町のアサリしょうゆを買ったことがる。枚方市と別海町が友好都市提携を結んでいるからだった。確かにアサリは良いだしがでるから、これはありだと思った。
アサリは料理だけではない。娘が遊びに来た時、「あさりバターおかき」を持ってきたことがある。そういえば、アサリ・バターという料理がある。おかきメーカーはうまく考えるもんだ。
遍路仲間はアサリの貝殻に布を被せ、根付けのようなアクセサリーを大量に作っていた。歩き遍路の途中で世話になった人に渡していたという。ただし、努力が必要らしく、アサリのみそ汁を飲みまくらければ、ならなかったらしい。
アサリの使い道はいろいとあるが、吸い物に勝るものはない。ありきたりだから、今回はエリンギを加えてみた。鍋で湯を沸かし、白だしを加えて、縦切りにしたエリンギを煮る。火が通ったら、アサリを入れて、口が開いてしばらくしたら、火を止める。あっさりできてしまった。ズボラ利料理らしい簡単さ。(梶川伸)2022,05.09
更新日時 2022/05/09