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編集長のズボラ料理(581) トーストカレーグラタン

チーズの量はもっと多くてもよかった

 インド風のカレーを食べる。インドが本場なのに、日本では「風」をつけなければ、そのイメージがわかない。それほど日本では、日本風のカレーが主流になっている。だから、「日本風のカレー」とは決して言わない。修飾語をつけえず、カレーという。
 兵庫県明石市には、玉子焼きというタコ焼きがある。だしにつけて食べる。「タコ焼きは大阪のもの」と考えている大阪人は、「明石焼き」と言って区別するのだが、明石市民は玉子焼きの名前にこだわり、決して明石焼きを口にしないし、タコ焼きとも言わない。教科書で「明石原人」を習った記憶があるが、明石人は日本人の歴史と玉子焼きには、元祖意識を持っている。
 そこで大阪人がさぐりに行く。原人から進化した明石人がこよなく好む「ふなまち」へ。小さなテーブルが2つだけの店に驚き、トロッとした舌触りに「なるほど」と思い、20個650円の安さ知って、恐れ入りましたとなる。
 インド風のカレー屋さんは、どうも慣れない。1番はナンの大きさだ。焼いた食パンの2倍から3倍はある。それなのに、カレーの入っている丸い金属容器は小さい。どうして食べばいいのか。
 ナンを切ってカレーをすくおうとするが、容器が小さくて、うまくカレーをつけることができない。思いっきり容器に突っ込むと、手がカレーだらけになる。ナンだ、これは。
 そこでカレーをスプーンですくってナンに乗せる。ところがナンから流れ落ちるのではないか。それを防ごうとしナンの端を内側に曲げて堤防を作ろうとするが、流れが速いと手にカレーがついてします。ナンは難題だらけだ。
 ナンと同様、パンとカレーはよくマッチングする。カレーパンがその代表格だろう。しかし、インドにはカレーパンという概念がないらしいから、カレーパンは日本風カレーの一種だろう。
 カレーパンの主流が揚げカレーパンなのは、ナンなんでだろう。油で手がネチャネチャになるのに。ということで、手が汚れないカレーパン料理を作ることにした。
 うちでカレーを作る時は、市販のルーを使うから簡単だ。簡単だからたくさん作る。夜食べて、朝食べて、昼まで食べることがある。今回はキーマカレーを作ったが、昼を過ぎても残っていたので、それを使うことにした。
 食パンをトーストし、9等分する。容器にキーマカレーを入れ、その上からパンを差し込む。上にとろけるチーズを乗せ、レンジでチーンをして温めたためる。最後に、オーブンにしてチーズに焼き色をつけるとさらにいい。
 食べる時はスプーンを使う。これならナンのように、カレーにつけたり、カレーを乗せたりすると時に悩むことはないし、手も汚れない。ただし、容器は陶器にし、」大きめに。(梶川伸)2022.02.19

更新日時 2022/02/19


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