編集長のズボラ料理(566) ショウガ入り鶏がらスープ
讃岐うどんの特徴を挙げてみる。高松市で1年5カ月住み、讃岐うどんをたくさん食べた経験をもとにしている。
まずは、安いこと。これは、他のうどん地域の人も脱帽するだろう。今をときめく丸亀製麺だって、コロナ対策で持ち帰りにお値打ち価格を設定したが、讃岐にはかなわない。
讃岐うどを検証するうえで、前提にしなければいけないことがる。讃岐の人はうどんという料理の中でも、うどんの玉が好きなのだ。
だから、かけうどんへのこだわろが、並大抵ではない。かけうどんは、関西で言えば素うどんのこと。
大阪の名のあるうどん屋さんにも、素うどんはある。だいたいメニューは安い順に並んでいるから、1番先に書いてある。これは前さばきとしての位置だから、食べる人は皆無に近い。もし食べるなら、人目をはばかって、小声で頼むしかない
讃岐でも、かけうどんはメニューの最初にある。ただそれは、うどんの代表格としての位置づけで、相撲でいえば東の横綱格と言っていい。だから、だから讃岐の人は、威風堂々と注文し、店側はそれに真摯に応える。つまり讃岐の人は、具よりもうどん、つゆよりもうどんなのだ。
もう1つ、前提にしなければいけなののは、セルフうどんがオーソドックスな食べ方ということ。店構えの良い店はお呼びでない。逆に、立ち食いならテンションが上がり、2玉食べようかとなる。店の外の木の丸椅子で食べることになるなら大喜びで、3玉まで頑張る。農家のビニールハウスの中で食べるロケーションなら、舞い上がって4玉まで行くかもしれない。
つまり、讃岐うどんは安い理由がある。僕が高松市に住んでいた1997年4月に、消費税が3%から5%に上がった。それ以前前、100円未満で食べられる店を約10軒知っていた。5%に上がっても、100円を含めてそれ以下で食べられる店を3軒知っていた。この安さが、讃岐うどんの誇りである。
腰が強い、イリコだし、天ぷらかおでんと一緒に食べる、ドジョウうどんというジャンルがある。このように、安さ以外にも讃岐うどんの特徴はさまざまある。しかし、安さに続く2番目は、トウガラシの代わりにおろしショウガを使うことだ分析している。
もし大阪でショウガを使う客がいたら、店側は警戒する必要がある。へたをすると、安くてもうけの少ない素うどんを、2玉、3玉を食べる恐れがある。
讃岐うどんを食べまくった僕としては、今回はショウガを使うことにした。鶏ガラスープの素でスープを作る。その際、しょうゆ少々を垂らし、おろしショウガを加える。
何とも素っ気ないが、それだけの料理で、書くことがないからショウカない。(梶川伸)2021.12.05
更新日時 2021/12/05