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編集長のズボラ料理(560) カレー卵焼き

私はカレー粉は多めの方が好み

 先日、日帰りで東京に行く用事があった。どこかの観光を考えたが、自由になる時間がほとんどなく、東京駅前・丸の内の日本郵便の商業施設「KITTE」をのぞいてみた。そのことを、フェイスブックに書いた。
 それを読んんだ毎日新聞の元同僚が、「このビルの地下2階の通路を通って南側のビルに渡ると、インディアンカレーの東京店があります」と反応した。さらに「東京に出張の度に、40分早めに大阪を出て、必ずお昼に食べてました」と追伸。
 今度は関東に移住した元同僚が「インデアンカレーの店はこの丸の内店が東京1店目。大手町に去年かな、2店目ができました」と、情報を提供してくれた。
 インデアンとは何か。実は大阪のカレー専門店。毎日新聞の大阪本社が堂島にあった時、ビルの下の堂島地下街に店があり、毎日新聞の社員はもれなくこのカレーを食べた。
 当時は社員食堂にはすしを握る職人がいた。社員にとっては、このすしと、インデアンカレー、それにやはりすぐそばにあった「鶴の巣」のオムライスとボルシチのセットが、ソウルフードのようなものだった。
 特にインデアンカレーはやみつきなるので、ルーの中に「麻薬が入っている」と社員は言っていたが、麻薬取締官が摘発しとという話は聞いたことがなく、それををいいことに、社員はせっせせっせと店に通った。社員はみんな「売り上げの1割は毎日社員」と豪語していた。
 オーソドックスな食べ方は、「カレー大」だった。付け合わせはキャベツのピクルスで、通になると、「キャベツ大」と注文する。
 スパゲッティーもある。「カレースパ」を食べる社員もいたが、これは邪道である。「カレースパ大」ともなると、社内では白い目で見られた。
 卵の黄身を乗せる社員もいた。これも論外である。そもそも、ルーのおいしさを損なうではないか。ルーに失礼である。そんな社員は、白い目を通り越し、黄色い目で見られた。
 インデアンに限らず、カレーに卵を乗せる人はいる。乗せるからカレーの王道から外れるわけだが、卵とカレーを混ぜておけば、許容範囲だと勝手に解釈して、今回のズボラ料理となる。
 ハムとタマネギを細かく切る。卵を溶き、その中に2つを入れる。鶏ガラスープの素、カレー粉、コショー、とろけるチーズも加え、よく混ぜる。卵焼き用のプライパンで、卵焼きにする。
 この場合、卵の方が主役だから、カレーが加わっても、決してカレーの王道を踏み外したわけではない。そんないい加減な料理である。(梶川伸)2021.11.08


更新日時 2021/11/08


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