ちょっと味見を(2359) つげのひむろ
奈良市都祁(つげ)は、平成の大合併前は都祁村だった。奈良時代は氷室(ひむろ)があり、平城宮に氷を送っていた。「つげのひむろ」という名の酒を見つけ、そのことを思い出し、買ってみた。都祁の倉本酒造の商品だった。
一口飲むと、少し酸味を含んだ刺激的な口当たりがするが、やがて口当たりのいい甘さを感じるようになる。逆に言うと、甘さの中に辛口の雰囲気を持っている酒と言える。原料米はヒノヒカリで、奈良ではよく栽培されている食用の米。ラベルには菩生酛(ぼだいいもと)仕込みとあり、その説明も書いてある。菩提酛とは、室町時時代に菩提山正暦寺(奈良市)で創醸された醸造法だという。奈良の要素がたく入った酒と言える。(梶川伸)2021.06.17
更新日時 2021/06/17