編集長のズボラ料理(500) ジャガイモと貝柱のアンチョビ炒め
自宅そばのイオンモールに、輸入食品中心の店があり、時々寄ってみる。
10年近く前までは、輸入品の生ハムの切り落としを良く買った。しょっちゅう、特売をしていたからだ。真空パックに入っていて、1枚1枚が密着している。それを外すのは大仕事だった。外してしまえば、焼いたり煮たりすることはほとんどない。そのまま使うか、何かを巻くかくらいのものだから、生ハム料理の作業の大半は、外すこととなる。
そのうち、日本の大手ハム会社の生ハムがスーパーに並ぶようになった。同じく真空パックだが、外しやすい。だからいつの間にか、特売はなくても日本製を使うようになった。
今は輸入品の店で買うのは、金吾堂の割れおかき久助せんべい。割れているといっても、元が大きいので、少々のせんべいよりは大きい。たっぷり入って200円ほどだから、お得感がある。僕の好きなゴマせんべいがたくさん入っていたら、何が何でも買うってしまう。輸入品の店であることなど、問題ではない。
輸入品も買うものはある。それはアンチョビのソース。イタリア風イワシの塩辛だが、ペースト状になっているので使いやすい。
以前、チューブに入ったものを買った。輸入品らしく、イタリア語らしき文字が並んでる。日本語の「アンチョビ」の文字が棚にあたからいいが、それがなければ、皆目見当がつかなかった。それを買い、いかにもイタリアンの名手のごとく料理に使ってから、残りを冷蔵庫に入れておいた。
だいぶ時がたって、アンチョビソースを使いたくなった。冷蔵庫を探したが、見つからない。正確に言えば、見つからなかったのではなく、チューブはあったがイタリア語で書いてあるから、何のことかわからなかったのだ。そこで、またイタリア語ばかりの瓶詰めを買ってしまった。
ある時、このチューブの正体を確かめるため、中身を出してみた。何とアンチョビソース。今、冷蔵庫の中にはアンチョビソースが2種類ある。細かく使い分ける料理の名人みたいな気分である。負け惜しみだけど。
ジャガイモ(あれば新ジャガイモ)をよく洗い、皮をつけたまま大き目に切り、鍋でゆでる。マッシュルームを太目に切る。フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクスライスを加えてニンニクオイルを作り、ジャガイモをよく炒める。ホタテ貝の貝柱(小さいものでもいい)とマッシュルームを加え、アンチョビソースを垂らして、サッと炒める。皿に盛り、パセリのみじん切り(乾燥パセリでもいい)をふる。
イタリア語を習うつもりはない。しかし、アンチョビくらいは覚えておかないと、3つ目を買ってしまう恐れがあるから、要注意だ。(梶川伸)2021.04.27
更新日時 2021/04/27